どのような病変であるかを判断することを「弁証(べんしょう)」と言います。弁証は治療法と使用薬物を決めるための根拠です。
その人の話を良く聞き、舌を見て「舌診(ぜっしん)」表裏、寒熱、虚実、陰陽などを見極めることにより、病変を判断します。
寒熱(かんねつ)は病変の性質を示す概念です。
・実寒: | 寒邪の侵入による。 (悪寒、冷えて痛む、顔色白い、便秘または下痢) |
・虚寒: | 陽気の衰弱による。 (寒がる、元気がない、四肢の冷え、下痢、尿量過多) |
・実熱: | 熱邪、火邪の侵入による。 (暑がる、口渇、多飲、顔面紅潮、咽痛、腹痛、便秘、尿が濃い) |
・虚熱: | 陰液不足により陽気が相対的に余り、熱の症状を生じる。 (のぼせ、いらいら、体の熱感・特に午後、疲れやすい、手のひら・足の裏のほてり) |
虚実(きょじつ)は正気と病邪の盛衰をあらわす概念です。
・気虚: | 気の不足。 (元気がない、食欲不振、声に力がない、息切れ、汗をかきやすい) |
・陽虚: | 気の不足と冷え。 (気虚の症状と手足の冷え、寒冷を嫌う) |
・血虚: | 血の不足。 (皮膚につやがない、頭のふらつき、目がかすむ、筋肉のけいれん) |
・陰虚: | 陰液不足により熱証を生じる。 (顔面紅潮、のぼせ、手のひら・足の裏のほてり、口の渇き) |